6-2.開業準備 銀行口座開設
会社の登記が完了し、法人番号が確認できるようになりましたら、銀行口座を開設しましょう。
法人口座を開設する際に、どこの銀行を選ぶかの考慮すべき主な点は以下の通りです。
インターネットバンキング利用料
社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)の口座振替
電子納付(Pay-easy)の対応有無
ダイレクト納付の対応有無
それでは実際の銀行口座開設を見ていきましょう。
who : 会社
what : 「銀行口座開設」
where : 銀行
how : 銀行窓口やオンライン
why : 税務や信用の面で個人と法人の資金を分別管理する必要があるため
when : 会社の登記完了後
インターネットバンキング利用料
個人であればインターネットバンキング利用料は無料ですが、法人の場合は基本的に有料となります。但し、ネット銀行であれば、法人口座であっても利用料は無料です。その他、ゆうちょ銀行も法人口座の利用料は無料です。
社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)の口座振替
会社を運営すると、社会保険料を支払うことになりますが、できるだけ手間のかからない納付方法を選びたいものです。一番手間がかからず間違えがないのが口座振替です。多くの金融機関で対応していますが、ネット銀行は対応していません。
電子納付(Pay-easy)
社会保険料の納付方法は口座振替が一般的ですが、別の納付方法として電子的な納付方法であるPay-easy(ペイジー)があります。
Pay-easy(ペイジー)とは、今まで金融機関や郵便局の窓口とコンビニ窓口でしか支払うことの出来なかった税金や各種料金を、パソコン・携帯・ATMなど金融機関が提供する様々な方法を利用することにより簡単に支払えるサービスです。
振込の場合、振込先の金融機関名・支店名・口座番号や振込金額を入力して指定する必要がありますが、Pay-easy(ペイジー)では指定番号を入力するだけで支払金額が自動表示されるため、簡単な操作で支払うことが出来ます。また、ほとんどの場合、支払いごとの手数料は発生しません。
多くの金融機関でPay-easy(ペイジー)に対応していますが、ネット銀行の場合、楽天銀行、PayPay銀行、GMOあおぞら銀行のみが対応しています。
ダイレクト納付
ダイレクト納付とは、e-TaxやeLTAXにより申告書等を提出した後、納税者名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより税を電子納付する手続です。
e-TaxやeLTAXのシステム内で納付手続きができ、インターネットバンキングの契約が無くても利用できる点がメリットです。
多くの金融機関で対応していますが、ネット銀行は対応していません。
ダイレクト納付ができない場合は、e-TaxやeLTAXのシステムを使わずに、インターネットバンキングなどで納付することになります。
参考情報
ゆうちょ銀行
インターネットバンキングが無料で利用でき、社会保険料の口座振替、Pay-easy(ペイジー)、ダイレクト納付に対応している金融機関となると、ゆうちょ銀行になります。
口座開設時必要書類
ゆうちょ銀行で法人口座を開設する際に提出が必要となる書類は、以下のようなものになります。実際には会社の状況により必要書類が違ってきますので、詳細は必ずホームページ又は窓口で確認して下さい。
法人の履歴事項全部証明書(原本)
来店者の公的な本人確認書類(顔写真付きの証明書)
来店者と法人の関係を証する書類(委任状等)(履歴事項全部証明書に来店者の名前が記載されていれば不要)
法人番号が確認できる書類(法人番号指定通知書等)
法人の印鑑証明書(原本)
代表社印の押印がある(主要)株主名簿または(主要)出資者名簿
所轄税務署あての法人設立届出書(控)又は青色申告承認申請書(控)
決算書
事業計画書などその他書類
上記以外にも、窓口で別途記入を求められる書類がありますので、法人の印鑑を持参するようにしましょう。
法人番号通知書
会社の登記完了後、数日経過すると「法人番号サイト」で検索
「法人番号通知書」は約1週間後に郵送されます。
実質的支配者と特定法人
銀行で法人口座を開設する際、「実質的支配者」や「特定法人」についての質問に答える必要があります。
銀行の窓口で口座を開設する場合であれば、店舗の場で銀行員に言葉の意味を聞けば教えてくれるので問題はありません。しかし、オンラインで法人口座の申込みをする場合、誰にも聞けず、申込者自身が言葉の意味を調べなければなりません。
実質的支配者
実質的支配者とは、簡単に言えば「会社を操れる人」になります。
例えば株式会社の場合、代表取締役(いわゆる社長)が権限を握っているとは限りません。雇われ社長が存在するからです。会社に最も大きな影響力を及ぼす者は「その会社の株式の多くを保有している人」になります。つまり、大株主が最も会社に影響力があり、いつでも経営者を交代させることができ、自由に会社を操ることができることになります。
こうした「会社の実権を握る人」を調べるために、実質的支配者に関する質問項目が存在する理由となります。
経営者という表の顔だけでなく、裏側で実質的に支配する者の存在の有無を確かめ、銀行口座が犯罪に使われる可能性を調べる訳です。
では、どのように実質的支配者を考えればいいのかと言えば、多くの場合、創業社長が大株主であるので、創業社長が実質的支配者となります。
合同会社や医療法人などであれば、代表者が実質的支配者になります。
しかし、株式会社の場合ですと株式の保有割合を考える必要があるので複雑になります。
50%以上の株式を保有している人がいれば、その一人だけが実質的支配者になります。
50%超の株式を保有する人はいないが、25%以上の株式を保有する人が一人又は複数人いれば、その者(一人又は複数人)が実質的支配者になります。例えば、株式保有割合が40%と30%の人がいれば、その二人が実質的支配者になります。
株式保有割合が25%を超える人がいない場合であれば、代表取締役が会社のすべての実権を握ると考えられます。
なお、実質的支配者は個人のみならず法人の場合もあります。
特定法人
特定法人とは、「ある特定の項目に該当するかどうか」で判断されますが、非常に分かりにくいです。
簡単に見極める方法として、会社が創業したばかりで、まだ最初の決算期を迎えていなければ、「特定法人」に該当すると考えられます。
しかし、もしその会社が上場企業の子会社や孫会社であれば、特定法人には該当しなくなります。
では、既に最初の決算期を迎えている場合であれば、「投資関連所得が50%に満たない法人」かどうかで考えてみましょう。
投資関連所得とは、「利子・配当・不動産貸付などから得られる収益」となります。
総収入のうち、投資関連所得が50%以上:特定法人に該当する
総資産のうち、投資関連が50%以上:特定法人に該当する
要は、株やFX、不動産保有などによって収入を得ている場合は「特定法人に該当する」と考えましょう。
それ以外の会社だと「特定法人に該当しない」となります。株やFX、不動産投資による収益割合が少ない一般的な株式会社の場合、特定法人にはなりません。
創業一年未満(最初の決算を迎えていない):特定法人に該当する
決算を既に終えている:特定法人に該当しない
なお不動産会社であったとしても「不動産の売買仲介をしており、法人では不動産を保有していない」という場合、投資から得られている賃貸収益ではありません。そのため、この場合は特定法人には該当しません。
特定法人
参考情報
ダイレクト納付
特定法人
実際の私の手続き
銀行の銀行口座開設時に提出した書類一式は以下の通りです。必要書類として求められていない書類も沢山含めました。
審査上プラスに評価される可能性が少しでもあるのであれば、積極的に提出した方が良いと考えました。また、法人を設立したばかりで実績が無いこともあり、代表者個人の審査も積極的にしてもらおうと私個人の情報も沢山提供しました。
法人の履歴事項全部証明書(原本)
私のマイナンバーカードのコピー
「法人番号が確認できる書類(法人番号指定通知書等)」は、国税庁法人番号公表サイトでの検索結果の画面を印刷しました。
法人の印鑑証明書(原本)
出資者名簿(法人の認印を押印)
「所轄税務署あての法人設立届出書(控)」は、「e-Tax」上の次の3つの画面を印刷しました。
「メッセージボックス一覧」の画面。「受付結果」の欄に「受付完了」が表示されています。
「メッセージボックス一覧」からメッセージをクリックして確認できる詳細情報の画面。その画面の上部には「受信通知」と表示されています。
「受信通知」の画面にある「電子申請等証明書交付請求」から表示される「電子申請等証明データシート」の画面。
「所轄税務署あての青色申告承認申請書(控)」は、「e-Tax」上の次の3つの画面を印刷しました。
「メッセージボックス一覧」の画面。「受付結果」の欄に「受付完了」が表示されています。
「メッセージボックス一覧」からメッセージをクリックして確認できる詳細情報の画面。その画面の上部には「受信通知」と表示されています。
「受信通知」の画面にある「電子申請等証明書交付請求」から表示される「電子申請等証明データシート」の画面。
「合計残高試算表」、「設立時貸借対照表」、「設立時損益計算書」、「設立時キャッシュフロー計算書」をExcelで作成しました。
「会社案内及び事業計画書」を一つの資料として作成しました。代表者と会社の情報、設立の背景、事業計画など可能な限り情報を詰め込みました。
パンフレット。A4一枚に、簡潔に事業内容などを分かりやすく盛り込みました。
定款のコピー
名刺のコピー
ホームページのスクリーンショット
名刺作成時とクラウド会計利用時の法人名義の領収書のコピー。本来は、実際の事業に関連する請求書や契約書が望まれますが、何もないよりは良いと思い、こちらを提出しました。
私の履歴書
私の保有資格証明書のコピー
一人合同会社設立体験記
目次
ホーム
1.退職
2.退職後~会社設立前
3.会社設立準備
4.会社設立中 登記
5.会社設立後 届出
6.開業準備
6-2.開業準備 銀行口座開設 ◀◀◀ 今ここ
7.会社運営
8.各種情報Link
9.こぼれ話
9-3.こぼれ話 申請用総合ソフト どの申請様式を選んでよいか分からない
9-4.こぼれ話 申請用総合ソフト 申請書と添付書面にそれぞれ電子署名