7-5.会社運営 決算・申告・納税
それでは実際の○を見ていきましょう。
税
利益と所得
法人税は決算書の利益に対して課税されるのではなく、所得に対して課税されます。
企業会計上 : 利益 = 収益 ー 費用
法人税法上 : 所得 = 益金 ー 損金
個人事業と法人の違い
法人は従業員個人の税金も代理徴収して納めなくてはいけません。所得税の源泉徴収や住民税の特別徴収、社会保険料などの天引き分も会社側で申告して納税する必要があります。
法人が納める税金(法人税や法人住民税、事業税など)
代理で徴収した税金(従業員の所得税や住民税などの預り金)
源泉所得税の納期は基本的には毎月ですが、給与の支給人数が常時10人未満の場合は、納期の特例を受けることにより年2回にまとめて納付できます。住民税の特別徴収についても同様です。社会保険料の天引き分については毎月処理する形になります。
申告
法人税 : 決算書に基づいて申告書を作成します。
消費税 : 決算書に基づいて申告書を作成します。
地方法人税 : 1に連動して作成することになる
法人事業税 : 1に連動して作成することになる
法人住民税 : 1に連動して作成することになる
書類の内容
決算報告書(貸借対照表や損益計算書など)
勘定科目明細書
法人事業概況説明書
法人税申告書
消費税申告書
地方税申告書
法人住民税および法人事業税の申告書
上記書類を作成した根拠・証拠となる領収書や取引を記録した総勘定元帳の作成・保管も必要です。
・仕訳帳に日々の取引を記帳
・仕訳帳から総勘定元帳に集計
・総勘定元帳から決算報告書を作成
法人税申告書
法人税申告書の書類は別表と呼ばれ、複数の書類が番号で表されています。非常に沢山ありますが、決算の内容によって提出をしなくてもよいものもあります。
別表一 各事業年度の所得に係る申告書
別表二 同族会社等の判定に関する明細書
別表三(一) 特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書
別表三(一)付表一 特定同族会社の留保金額から控除する留保控除額の計算に関する明細書
別表四 所得の金額の計算に関する明細書
別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
別表五(一)付表 種類資本金額の計算に関する明細書
別表五(二) 租税公課の納付状況等に関する明細書
別表六(一) 所得税額の控除に関する明細書
別表七(一) 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書
別表八(一) 受取配当等の益金不算入に関する明細書
別表八(一)付表一 支払利子等の額及び受取配当等の額に関する明細書
別表十一(一) 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
別表十一(一の二) 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入に関する明細書
別表十四(二) 寄附金の損金算入に関する明細書
別表十五 交際費等の損金算入に関する明細書
別表十六(一) 旧定額法又は定額法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
別表十六(二) 旧定率法又は定率法による減価償却資産の償却額の計算に関する明細書
別表十六(六) 繰延資産の償却額の計算に関する明細書
別表十六(七) 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書
別表十六(八) 一括償却資産の損金算入に関する明細書
別表十六(九) 特別償却準備金の損金算入に関する明細書
別表十九 法人税法第七十一条第一項の規定による予定申告書・地方法人税法第十六条第一項の規定による予定申告書
添付書類
決算内容に基づいた税額計算がなされているかの裏付け資料として添付書類も提出する必要があります。
決算報告書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)
勘定科目内訳明細書
法人税事業概況説明書
適用額明細書(租税特別措置を適用する場合)
税務代理権限証書(税理士に申告書の作成を依頼した場合)
作成手順
法人税申告書作成の大まかな手順です。
決算書を作成します。
決算書から別表六(一) 所得税額の控除に関する明細書、別表十五 交際費等の損金算入に関する明細書などを作成し、損金の計算をします。
別表四 所得の金額の計算に関する明細書を作成します。
別表一 各事業年度の所得に係る申告書を作成します。
所得金額をもとに地方法人税申告書を作成します。
租税公課として主に認められるもの
法人事業税
事業所税
自動車税、軽自動車税、重量税など
軽自動車税
登録免許税
税込み方式の消費税
固定資産税や都市計画税、不動産取得税
償却資産税
印紙税
地価税
消費税(税込処理をしている場合)
住民票の発行手数料など公共サービスの手数料
公的な団体の会費
軽油取引税など特別徴収されるもの
租税公課として認められないもの
法人税、地方法人税
都道府県民税及び市町村民税
各種加算税及び各種加算金、延滞税及び延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金を除く)、過怠税
罰金や科料、過料
法人税額から控除する所得税
復興特別所得税および外国法人税
勘定科目内訳明細書
預貯金等の内訳書
受取手形の内訳書
売掛金の内訳書
仮払金、貸付金及び受取利息の内訳書〈仮払金(前渡金)の内訳書〉
仮払金、貸付金及び受取利息の内訳書〈貸付金及び受取利息の内訳書〉
棚卸資産の内訳書
有価証券の内訳書
固定資産の内訳書
支払手形の内訳書
買掛金の内訳書
仮受金の内訳書ー源泉所得税預り金の内訳書〈仮受金の内訳書〉
仮受金の内訳書ー源泉所得税預り金の内訳書〈源泉所得税預り金の内訳書〉
借入金及び支払利子の内訳書
土地の売上高等の内訳書
売上高等の事業所別内訳書
役員報酬手当等及び人件費の内訳書
地代家賃等・工業所有権等の内訳書
工業所有権等の使用料の内訳書
雑益、雑損失等の内訳書
中間申告
中間申告の対象者
前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える者に該当すると中間申告書を提出する必要があります。
中間申告を行う必要がない対象者
NPO法人
中間申告は、非営利型法人を除く普通法人が対象とされているため、NPO法人は中間申告と中間納付の必要はありません。
設立初年度の法人
設立されて最初の事業年度中の法人は中間申告の対象となりません。
前年の法人税納付額が20万円以下の法人
前期実績に基づいた中間申告での納付額が10万円以下となるため、予定申告、仮決算に基づいた中間申告のどちらの対象にもなりません。
法人税の中間申告には予定申告と仮決算による中間申告の2つの方法があります。
予定申告
仮決算による中間申告
予定申告
予定申告は、基本的に前年度の法人税の2分の1を納付することになります。この計算方法は次の通りです。
[ 前の事業年度の法人税額÷前事業年度の月数(基本は12ヶ月)×6 ]
予告申告では計算が比較的簡単で、税務署から送られてくる予定申告書に納付額を記入して提出するだけなので、手間もかかりません。中間申告をしなかった場合でも、前期の実績から算出してくれるというメリットがあります。
法人税の場合
1,000,000 ÷ 12ヶ月 × 6ヶ月 = 499,998円 → 499,900円(100円未満切り捨て)
住民税の場合
1,000,000 × 6ヶ月 ÷ 12ヶ月 = 500,000円
事業税の場合
1,000,000 ÷ 12ヶ月 × 6ヶ月 = 499,998円 → 499,900円(100円未満切り捨て)
税金の種類別予定申告の納付額の計算方法
法人税・消費税・事業税 : 先に12で割る、次に6を掛ける
住民税(法人税割・均等割) : 先に6を掛ける、次に12で割る
仮決算に基づいた申告
仮決算に基づいた申告は、事業年度開始から6ヶ月が経過した時点での中間決算を行い、それに応じた課税所得に対し法人税率を掛けて納付額を算出します。
固定資産税(償却資産)
固定資産税(償却資産)の対象
土地や建物だけでなく、償却資産も対象になります。
償却資産とは、毎年1月1日現在に所在する土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産のことで、原則、取得価額が10万円以上の車両(自動車税、軽自動車税の対象物を除く。)や機械設備、パソコンなどの備品、看板などの構築物が含まれます。
申告は償却資産の所在する自治体に対して行なわれ、期日は1月末です。申告の内容は資産の種類や取得価額だけでなく、その資産の価値を決定するために必要な情報、例えば耐用年数などといったことも含まれています。
減価償却の方法には、毎期一定の額を費用として計上する定額法と、毎期一定の率を掛けて算出した額を費用として計上する定率法とがあります。
償却計算の基準日
国税:事業年度(決算期)
地方税:賦課期日(1月1日)
減価償却の方法
事業年度中の新規取得資産
事業年度中の新規取得資産に対し、国税では所有している月数を基礎として償却する「月割償却」とされていますが、地方税では、所有期間を半年とみなして償却する「半年償却」となっています。
国税:月割償却
地方税:半年償却
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
この特例は、中小企業が会社で使う減価償却資産を平成31年3月31日までに購入し、その購入金額が30万円未満だった場合には、300万円を限度として、その購入金額全額を損金として計上できるというものです。
国税:認められる
地方税:認められない
一括償却資産の特例
10万円以上20万円未満の減価償却資産で3年間の均等償却を行い、損金計上できるというものです。
国税:償却資産に該当する
地方税:償却資産に該当しない
評価額の最低限度
国税:備忘価格(1円)
地方税:取得価額の5%
圧縮記帳
固定資産の購入に当たって補助金を利用した場合、購入価額を購入金額から補助金の額を差し引いた金額として処理することを圧縮記帳といいます。
国税:認められる
地方税:認められない
決算書
合同会社が決算書として必要となる計算書類は、主として次のものです。
損益計算書
貸借対照表
社員資本等変動計算書
個別注記表
上記に事業報告、附属明細書を加えて、「計算書類等」と呼びます。
合同会社は上場することができないため、キャッシュフロー計算書の作成義務はありません。
勘定科目内訳明細書
法人事業概況説明書
計算書類の承認を行う
合同会社の場合、株主総会において計算書類の承認を得る必要はありません。
しかしながら、計算書類の作成だけでは「承認」とは言えないので、社員による計算書類の確認は必要です。また、その合同会社の定款に「計算書類の承認」を求めている場合には、承認行為が必要と言えます。
税金
法人の税金は様々な事業所得との合算によって決まります。
個人の場合はFX取引を行って未決済のまま保有しているポジションの含み益に対しては決済するまで課税されません。しかし、法人の場合は未決済の含み益であっても課税の対象となります。
課税されると言っても消費税は別です。一般事業法人には消費税の問題がありますが、FX取引のみを事業としている法人であれば、収益に消費税はかかりません。
CFD
CFD取引
現物の受け渡しが伴わなければ消費税は対象外の不課税取引となります。実際に原資産証券などを保持することなく市場の値動きを反映したCFDを証拠金取引で売買し、その売買の価格差が損益となる取引ですので、不課税取引に該当します。
CFD取引を法人で行った場合
証拠金を預けた時点で「証拠金」等の勘定科目を作成。
取引自体を行ったときは処理不要。
期末に時価評価を行い評価損益を計上します。勘定科目は「デリバティブ」でよいでしょう。先物、オプション、CFDなどデリバティブに該当するものが多い場合はそれぞれその内容を表す勘定科目を使用するとよいでしょう。
暗号資産CFD
暗号資産CFDで発生した利益は総合課税の雑所得となります。FX取引は先物取引に係わる雑所得として他の所得と区別して税額の計算(申告分離課税)を行いますので、税区分が異なるので暗号資産CFDとFX取引を合算することはできません。
課税区分
総合課税(所得額が大きくなるほど税率が上がる「累進課税」で、1年間の所得をほかの所得と合計して所得税が計算されます)
雑所得
暗号資産CFD
申告分離課税(他の所得と区別して税額の計算を行います)
先物取引に係わる雑所得
FX取引(店頭外国為替証拠金取引)(取引差益・スワップ益)
CFD取引(取引差益・配当金相当額・金利相当額の受取)
日経225先物、OP取引、商品先物取引などの差金決済取引(取引差益)
決算 申告・納税
国
法人税
消費税
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法人事業税
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