7-6.会社運営 やるべきこと
会社を経営すると、毎月やらなければいけないことと、毎年やらなければいけないことがあります。
税理士や社労士など外部の専門家に依頼すれば、会社の経営者が気にすることはあまり多くありませんが、節約のために経営者自らが各種手続きを行うのであれば、しっかりと理解しておかなければなりません。
それでは実際の毎月と毎年のやるべきことを見ていきましょう。
毎月やるべきこと
会計帳簿の作成
給与計算
役員報酬を支払う場合は、毎月、報酬の支払いを行う必要があるため、毎月の給与計算、給与の支払い業務が発生します。
給与額面から所得税、社会保険、住民税を差し引いて手取り額を計算します。
役員報酬の金額は基本的には、毎月同じですが、社会保険料等が変更になることがあるため、確認が必要です。
所得税の源泉徴収と納税
法人化すると、役員報酬や給与、税理士等の報酬から所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国(税務署)に納めなければなりません。
仮に源泉徴収額が0円の場合でも税務署への納付書の提出が必要です。
納付は税務署の他、金融機関でも行うことができます。ただし、源泉徴収額が0円の場合は、金融機関では取り扱いができないため、税務署に納付書を提出します。
基本的には、毎月納付が必要ですが、給与の支給人員が常時10人未満である場合、事前に申請することで、給与や退職手当から源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税を、半年分をまとめて納付できるという「源泉所得税の納付の特例」制度を利用することもできます。
住民税の特別徴収と納税
社会保険料の納付
毎月、事業主が納付する保険料額は、事業主から提出される被保険者の資格取得、喪失、標準報酬月額または賞与支払等の変動に関する届出内容を基に毎月10日ごろに前月分を確定し、20日ごろ、日本年金機構(年金事務所)から事業所へ「保険料納入告知額通知書」または「保険料納入告知書」を送付する方法で通知されます。
保険料の納付期限は、納付対象月の翌月末日です。
健康保険・厚生年金保険の保険料の徴収は、日本年金機構(年金事務所)が行うこととされており、事業主は毎月の給料および賞与から被保険者負担分の保険料を差し引いて、事業主負担分の保険料とあわせて、納付期限までに納めます。
社会保険料の徴収・納付の具体的な日付は、会社によって、「翌月徴収」と「当月徴収」に分かれます。
翌月徴収
社会保険料の徴収・納付は一般には翌月徴収・翌月納付で行われています。
この翌月徴収・翌月納付とは、例えば1月分の保険料の納付は2月末日(翌月納付)ですので、2月に支給される給与から徴収します(翌月徴収)。給与の締切日や名称(何月分給与という名称)とは関係なく、いつ支給される給与かが問題となります。
当月徴収
当月徴収は1月分の保険料を1月に支給される給与から徴収します。この場合でも納付は翌月末日(2月末日)となります(当月徴収・翌月納付)。
毎年やるべきこと
1月
給与支払報告書
12月に年末調整を行い、個人の年収と所得税の金額を会社が集計して給与支払報告書を作成します。それを役員、従業員の住まいの市区町村に提出することで、住民税が確定されます。
給与支払報告書は、主に給与支払者(会社)の情報を記載する総括表と前年の役員、従業員への給与の支払内容を記載する個別明細書(源泉徴収票と同様のフォーマット)を提出します。
また、住民税は原則、特別徴収(給与から天引き)となりますが、一定の理由がある場合は普通徴収(納付書を送付してもらい、金融機関やコンビニエンスストア等で従業員自らが納付)に切り替えることができます。
提出期限 1月末
提出方法 e-Tax
法定調書合計表
法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」および「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署への提出が義務づけられている資料をいいます。
一般的な会社の場合、主に以下のものがあります。これらに関する前年の支払内容を記載した支払調書を作成し、法定調書合計表と併せて税務署へ提出し、また、支払い先への支払調書の送付を行います。
「所得税法に規定されている給与所得の源泉徴収票(役員報酬や給与の支払い)」
「退職所得の源泉徴収票(退職金の支払い)」
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払い調書(税理士等への報酬等の支払い)」
「不動産の使用料等の支払い調書(事務所の賃料等の支払い)」
法定調書合計表は、正式には「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」といい、会社が支払った給与などを税務署に報告します。
毎年1月31日までに法定調書を税務署に提出する必要があります。
提出期限 1月末
提出方法 e-Tax
償却資産申告書
法人の保有している固定資産の状況を毎年1月31日までに各市町村に申告します。申告した固定資産に応じて固定資産税が計算されます。固定資産税が発生する場合は、市区町村から、6月に納税通知書が送付されるので、それを元に固定資産税の支払いを行います。
10万円以上の資産を購入した場合には申告します。一括償却資産の場合は申告不要ですが、 少額減価償却資産の特例の場合は、免税点150万円未満であっても申告が必要となります。
提出期限 1月末
提出方法 eLTAX
役員報酬の改定
改定の場合は同意書を作成します。標準報酬月額を変更する手続きが必要となりますので、年金事務所に月額変更届を提出します。この標準報酬月額の変更のことを随時改定といいます。
随時改定による社会保険料の改定は、固定的賃金の変動後すぐに行われるわけではなく、変動した月から3ヶ月の標準報酬月額がこれまでの等級から2等級以上変動した後に行われます。つまり、具体的なタイミングとしては変動月から4ヵ月目です。下記の図では10月に固定的賃金の変動があり、4ヵ月目にあたる1月に社会保険料が改定されています。
月額変更届は変動月から3ヶ月目の給与が支給された後、速やかに提出します。上記の図では12月分の給与を支払った後です。
変更された社会保険料を控除するのはいつから?
社会保険料を翌月納付している場合は、標準報酬月額改定月の翌月(報酬の変動があった月から5ヶ月目)の給与から改定された保険料が控除されます。また、当月納付の場合は、標準報酬月額改定月の当月(報酬の変動があった月から4ヶ月目)の給与から控除されます。
提出期限
提出方法 e-Gov
4月
健康保険の料率改定
健康保険料率の改定があるため、料率を確認して社会保険料の計算をします。
雇用保険の料率改定
雇用保険料率の改定があるため、料率を確認して雇用保険料の計算をします。
6月
住民税の徴収額の変更
前年の1月~12月の個人の収入に対する住民税を6月~5月に徴収します。特別徴収の場合には給与を支給する会社で給与天引きして会社が毎月10日に納付します。
中間決算・中間申告・納税
前期の法人税、消費税の金額が一定額を超える場合は、税務署に中間納付をする必要があります。法人税は半年に1回ですが、消費税は前期の消費税額に応じて回数が変わります。
7月
社会保険の届出書類(算定基礎届)
正式名称を「被保険者報酬月額算定基礎届」といい、年に1回、健康保険・介護保険・厚生年金保険の保険料を現在の報酬(給与)に見合った額に調整するための手続きです。これを「定時決定」といいます。
基本的には4月から6月までの3ヶ月間に支給した報酬の平均額を7月10日までに年金事務所に提出します。この情報を元に保険料の階級が9月から翌年8月までの保険料が決定します。
算定基礎届の提出は、7月1日の時点で健康保険・厚生年金保険の被保険者となっている従業員が対象となります。
提出期限 7月10日
提出方法 e-Gov
労働保険年度更新(労働保険申告書)
役員以外の従業員を雇用している場合は、労働保険に加入しなければなりません。労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(これを「保険年度」といいます。)を単位として計算され、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。
労働保険は保険年度ごとに概算で保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定したあとに精算するので、事業主は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きを行います。
この年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければなりません。
9月
厚生年金保険料率の改定
毎年9月に厚生年金保険料の料率が変更となります。厚生年金の料率を変更して計算をする必要があります。
社会保険料の等級変更
7月10日に提出した算定基礎届で4月~6月の給与報告したことによって、社会保険料の等級が変動します。(料率とは別物です)従って、9月に等級変更をして社会保険料の計算をする必要があります。
12月
年末調整
年末調整とは1月~12月に会社から給与を払った役員、従業員の年収と所得税の金額を会社が集計して確定する必要があります。源泉徴収票を本人に渡して、年末調整後の給与支払い時に精算(徴収、還付)をします。年末調整は、該当年における役員報酬・従業員給与から所得税額を確定し、毎月天引きした所得税額との差額を調整するものです。正確な所得税額と天引きした所得税額に差がある場合、さらに税額を徴収するか、還付するかの手続きを行います。
本決算・確定申告・納税
事業年度の終了後、確定した損益に基づき所得を計算し、税務署に法人税、都道府県税事務所に県税、市町村に市税を申告、納税します。
法人税の申告は原則として決算日から2ヶ月以内に行う必要があります。
実際の私の手続き
毎月やるべきこと
会計帳簿の作成
月末時点でのFX業者からの月間損益報告書の損益に合わせて、「預け金」の増減を記帳します。
決算月には時価評価が求められますので、未決済の建玉に対して時価評価をして評価損益を出す必要があります。
決算月の翌期首には、決算月に行った評価損益の仕訳の反対仕訳を行います。
給与計算
「マネーフォワード クラウド給与」で計算されます。
所得税の源泉徴収
「マネーフォワード クラウド給与」では、料率の変更の際などシステム上で自動更新されます。
所得税の納税
給与支払い月の翌月10日までに、国に対してe-Taxでダイレクト納付します。
住民税の特別徴収
「マネーフォワード クラウド給与」で
住民税の納税 個人と法人の違い
事業税は?
社会保険料の納付
口座振替なので、自動納付されます。
毎年やるべきこと
1月
給与支払報告書
e-Taxで報告します。
「マネーフォワード クラウド年末調整」で自動作成される給与支払報告書を確認できます。
法定調書合計表
「マネーフォワード クラウド年末調整」で自動作成される「給与所得の源泉徴収票合計票」を確認できます。
償却資産申告書
10万円以上の資産購入で、少額減価償却資産の特例の場合は、eLTAXで申告します。
「マネーフォワード クラウド固定資産」で自動作成される償却資産申告書類を確認できます。
役員報酬の改定
同意書を作成して報酬額を変更します。
4月
健康保険の料率改定
「マネーフォワード クラウド給与」では、協会管掌事業所の場合、料率の変更の際などシステム上で自動更新されます。
雇用保険の料率改定
「マネーフォワード クラウド給与」では、料率の変更の際などシステム上で自動更新されます。
6月
住民税の徴収額の変更
「マネーフォワード クラウド給与」で、住民税新年度控除額を手動で更新します。
中間決算・中間申告・納税
7月
社会保険の届出書類(算定基礎届)
「マネーフォワード クラウド社会保険」で、定時決定の算定基礎届を作成し、e-Govに電子申請できます。
労働保険年度更新(労働保険申告書)
役員以外の従業員は雇用していませんので、必要ありません。
9月
厚生年金保険料率の改定
「マネーフォワード クラウド給与」では、料率の変更の際などシステム上で自動更新されます。
社会保険料の等級変更
「マネーフォワード クラウド給与」では、料率の変更の際などシステム上で自動更新されます。
12月
年末調整
「マネーフォワード クラウド年末調整」で、従業員が必要とする申告情報を入力できます。
本決算・確定申告・納税
「マネーフォワード クラウド確定申告」で、「e-Taxソフト」で電子申告を行う為のファイルをエクスポートすることができます。
一人合同会社設立体験記
目次
ホーム
1.退職
2.退職後~会社設立前
3.会社設立準備
4.会社設立中 登記
5.会社設立後 届出
6.開業準備
7.会社運営
7-6.会社運営 やるべきこと ◀◀◀ 今ここ
8.各種情報Link
9.こぼれ話
9-3.こぼれ話 申請用総合ソフト どの申請様式を選んでよいか分からない
9-4.こぼれ話 申請用総合ソフト 申請書と添付書面にそれぞれ電子署名